蔵書一万二千冊、客室は五室。全室、湖に面しています。
A library by the lake — since 1974
01 — Concept
本を読むためだけに、
泊まりに来る場所です。
白樺と楢の森にかこまれた、霧生湖(きりうこ)。その西岸に建つ、蔵書一万二千冊の、泊まれる図書館です。
夜明けに湖から白い霧が立ちのぼり、朝日が差すと、光の帯になって消えていきます。それが済むと、あとは一日、明るくて静かです。
もとは水源を管理する営林署の宿舎でした。閉鎖されたあと、蔵書の置き場所に困っていた一人の古書店主が買い取り、書架を入れ、ついでに寝床も残した——それが始まりです。
館内に、テレビはありません。予定もありません。読み終わらなければ、その本は棚に取っておきます。次にお越しになったとき、続きからどうぞ。
02 — Reading Rooms
Room 01
Morning Hall
東向きの大窓が、湖から立ちのぼる朝霧を透かします。午前六時から開室。館内でいちばん光が入る部屋です。珈琲は自由にお持ちください。
Room 02
Lake Deck
水面の上に張り出した六席だけの読書席。足元はすぐ湖です。木漏れ日が本の上で動きます。膝掛けと、湯たんぽをご用意しています。
Room 03
Lamp Room
二十二時から、翌朝四時まで。真鍮の読書灯が十二席分、それぞれの手元を照らします。ホットココア、ハーブティー、カフェインを抜いた珈琲をご用意しています。
03 — Collection
新刊はほとんど置いていません。棚に並ぶのは、古書店から移ってきた本と、宿泊されたお客さまが置いていかれた本です。書き込みも、栞の跡も、そのままにしてあります。
ジャンル順の配架はしていません。「雨の日に読む棚」「眠れない夜の棚」「途中でやめてよい棚」——館主の独断で分けられた、二十四の棚があるだけです。目当ての本を探すより、迷っていただく方が早いと思います。
04 — Rooms
全室、湖畔ビュー。五室すべてが東の湖に面し、朝いちばんの光が入ります。明け方、湖から霧が立ちのぼっていくのを、寝床から見ていられます。

Shoka — 2 rooms
壁二面が書棚、残りの一面が湖に向いた窓です。寝台のすぐ横から本に手が届きます。朝、光が棚の背表紙を端から順に照らしていくのを、寝たまま見ていられます。

Kosou — 2 rooms
壁いっぱいの一枚窓が、湖にまっすぐ向いています。窓辺に一人掛けの椅子と、小さな卓と、薪ストーブ。それ以外は、なるべく何も置いていません。朝、霧が晴れていく様子を、座ったまま見ていられます。

Tou — 1 room
旧・給水塔を改装した、一日一組だけの部屋。螺旋階段を三十六段のぼると、最上階がまるごと一室になっています。三方が窓、天井は硝子。朝は、頭の上と、森の向こうと、両方から光が入ります。
05 — A Day
湖から白い霧が上がります。日が差すと一時間ほどで消えます。窓を開けたまま、寝たまま見ていて構いません。
館内でいちばん光の入る部屋が開きます。だいたい、いちばん早い方は霧を見てからここへ来られます。
湖の対岸の窯で焼かれたパンと、卵と、スープ。お部屋の窓辺か、長卓か、お好きなほうへお運びします。
何もありません。森を歩くか、読むか、どちらかです。
ご希望があれば、館主が三冊選びます。「今の気分」だけ教えてください。
お部屋の窓辺か、食堂の八席の長卓か。長卓に来られた方どうしで、本の貸し借りが始まることもあります。
ここから翌朝四時まで。館内の照明が落ち、真鍮の読書灯だけになります。温かい飲み物は、朝までご自由に。
06 — Meals

食材は、湖の対岸の集落から、その日の朝に届きます。畑をやっている方、山へ茸を採りに入る方、湖に舟を出す方。どれも顔の見える人たちから、直接分けていただいたものです。
八月は岩魚、十月は茸、二月は根菜。森と湖は、その季節にいちばんおいしいものだけを差し出してくれます。献立が前日まで決まらないのは、その日に何が採れるか、こちらにも分からないからです。パンは、対岸の窯で焼かれたものが朝いちばんに届きます。
朝食も夕食も、お部屋の窓辺までお運びします。食堂の長卓で召し上がることもできますので、朝食は前の晩の二十一時まで、夕食は当日の十七時までに、お好きなほうをお聞かせください。長卓では、隣り合った方と本の話が始まることもあります。
07 — Questions
もちろんです。むしろ、読みかけを一冊お持ちになることをおすすめします。
窓が大きいので、晴れた朝は自然に目が覚めます。ご希望の場合は、遮光の日よけもご用意がございます。
ほとんど入りません。館内に一台だけ固定電話があり、急ぎのご連絡はそちらで承ります。Wi-Fiは事務室のみで使えます。
小学生以上のお子さまをお迎えしています。夜の灯書室のみ、二十二時以降は中学生以上とさせていただいています。
できます。三泊以上で一割引、七泊以上で二割引。はじめから連泊でお取りになる方が、半数を超えます。ご予約が半年先まで埋まっているため、当日の延泊はお受けできないことがほとんどです。
必ずではありません。年間およそ百二十日です。十月から十二月の明け方がもっとも濃く、七月はほとんど出ません。霧の出なかった日は、そのぶん明るい湖が見えます。
08 — Access
最寄り駅から車で五十分、最後の八キロは森の中の未舗装路です。冬季は送迎車のみとなります。日が暮れてからのご到着でも、玄関の灯りをつけて、お待ちしています。